アップサイクルが創りだす「これからの未来」

2023.10.27

開催日:8/20(日)
場所:ハッシュタグ福岡

子どもたちと一緒に、大人も学べるアップサイクルの講座がありました。

一般社団法人GOMITAIJIさん※を講師として、7つの環境問題(地球温暖化、海洋汚染、有害物質の越境、生物多様性の減少、鉱物資源やその他資源の減少/石油はあと約50年、石炭は約100年でなくなる、森林破壊、酸性雨)や日本と世界の発展とそれに伴う環境破壊の歴史(産業革命以降、人口増加や大量消費などの経済活動によって、二酸化炭素の排出量が増え、温室効果ガスの濃度や気温が上がるなど問題が拡大している)など、現代に至る環境問題の姿をわかりやすく解説していただきました。

特に印象的だったのは、2100年の未来の天気予報というお話です。2100年の夏の最高気温は、札幌を含むほぼ全国で40°C超。熱中症などでの死者数も急増。気象災害で、稲作や農作物の収穫量も減少など。ただ単に、「暑くなる」というだけではない影響が、自分の毎日の生活にも及ぶことを教わり、温暖化を抑える活動を「何か始めなきゃ」と強く感じさせられるお話でした。

この日の会場では、いくつかの製品がサンプルとして紹介されました。

大手ジーンズメーカーの工場から出たデニム素材の端材( 国内のメーカーから製造過程で排出される生地の端材が年間数百tあるそうです!)を活用し、左官材(壁材・天井材)にする「NURU DENIM」 “塗るデニム”は、おうちの内装をおしゃれにする新素材として注目されそうです。

ワイン・シャンパンのコルクを回収し、選別、洗浄、破砕、ブロック状、スライス・加工を経て、パネルとして商品化されるのが「RECORK WOOD PANEL」。東京都内の飲食店だけでも、ワイン、シャンパンが年間に約1億5千万本消費されているのだそうです。

靴下工場から製造時に出てくる糸くずは、本来であればゴミとして廃棄焼却されます。それを高圧プレスでボード化し新たな価値へとアップサイクルしたのが「糸くずボード」。まだまだ開発段階だそうですが、糸くずの色がそのままで残るので、発色の良さが面白く、全く同じ表情のボードは他に存在しないのも面白いところです。建材としても、いろんな活用方法がひらめきそうな製品です。

これらの製品のように、とってもおしゃれで、しかもこれまではゴミとしか思われていなかったものに価値を生み出している「アップサイクル」の可能性を体験し、参加者は身近にあるゴミの存在をもう一度考え見直してみる機会になったようです。

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※一般社団法人GOMITAIJI

元々、卵の殻から、壁紙や塗料、左官材、タイル、コースターなどの製品をアップサイクルしていた企業さんのもとに、捨てられてしまう別の素材についても「何かできないだろか?」という相談が多く持ち込まれるようになり、次の世代につなげる取り組みへと発展したプロジェクトを行っている団体です。「GOMITAIJI」(ゴミ退治)というネーミングには、お年寄りから子供まで誰でも分かる合言葉にしたいというメッセージが込められており、ロゴマークはゴミが新たな価値へと羽ばたくイメージから開発されました。