自然の魅力大発見〜ふくおかの森里川海つながりネイチャーツアー〜

2023.10.29

開催日:9/9(土)
場所:伊崎漁港

皆さん、福岡市中央区のペイペイドームが目の前に見える場所に、漁港があることをご存知ですか?都市高速のすぐそばに多くの漁船が停泊し、最近では毎週土曜日の午後に開かれる夕市も人気となっているのが「伊崎漁港」です。この日は、気持ち良いお天気のもと、家族連れを中心に多くの参加者が集まりました。

実はこの講座、3回連続講座の最終回で、「森里川海つながりネイチャーツアー」というタイトルの通り、第1回では早良区内野から“森と川のつながり”を、第2回では室見川中流域から“里と川のつながり”をそれぞれオンライン配信で学びました。そしてこの第3回は、漁船に乗って豊かな博多湾を体感するクルーズのリアル開催でした。

参加者は、主催者や地元漁師さんとの挨拶を終えたのち、伊崎漁港から5隻の漁船に分かれて出港。まずは沖に出て、海から福岡の街を眺めてみました。第1回のオンライン配信で観察した脊振山系の山々も遠くに見えています。あの山々に降った雨が、川を通って海に流れ込んでいると、イメージしばがら眺めました。そして、漁船はしばらく沖合に出て、博多湾とそれを取り囲む陸地との関係を見ながら旋回、ゆっくりと室見川の河口まで戻ってきました。川を海側から見る眺めは、普段ではなかなか経験できないアングルで、「川に戻ってくるサケってこんな感じかな」と笑う参加者も。漁師さんからは、博多湾の生き物や採れる魚のことなど、楽しいお話を聞くことができました。

そして、クルーズの後は、漁港の水槽にいる生きた魚たちとのふれあいタイム。いろんなお魚の名前を聞いてみたり、カニやシャコ、網にかかってしまったカブトガニを観察したりと、自然が大好きな子どもたちが、博多湾の生き物たちを心ゆくまで楽しんでいました。それからもうひとつ大事なこととして、引き揚げられた海底ごみも見せていただきました。なんと、海底ごみの大半は川から流入したものなのだそうで、私たち一人ひとりが生活から出るごみを減らしたり、森や川をきれいにすることが海へ流れ込むごみの減少につながることを実感させられました。

最後は会議室でまとめのお話。福岡市漁協伊崎支所の半田会長が「今、森の水は海まで流れてこないんですよ。山から取り込んだ栄養分が減ってしまった状態で海に流れているのです。これからも博多湾のおいしいお魚を食べられるように、森里川海の繋がりを意識しながら、日々の生活でできることに取り組んでいただけると嬉しいです。」とおっしゃっていました。

自然の恵みや身近な生きもののつながり、森と里と川と海がつながっていることを認識する体験となりました。